小学校お受験のミカタっ!

アラフォーパパ、私立小あれこれ体感中

Vol.3 教室どうやって選ぶ?【前編】

どうも、クロノスタ★シス夫です。

これを書いているのは10月上旬。関東は本番直前もしくは本番中の方が多数だと思いますが、関西では概ね今年の考査が終わりました。お受験にのぞまれた皆さま、本当にお疲れさまでした。今年の受験準備はコロナ禍の影響を受け、多くの学校で説明会や授業見学がオンラインに代替されるなど、多岐に渡ってイレギュラーの連続だったのではないでしょうか。各校のコロナへの対応に関する情報を迅速かつ漏れなく、収集する苦労も相当のものだったと推察します。

 

このように世の中がバタバタする中において、お受験向け幼児教室はその高い専門性に信頼と安心感が寄せられ、大きな存在感を示した印象があります。今回はそんな心強い存在、幼児教室について、実際に通って感じたメリットや活用の注意点、教室の選び方について書いてみますね。

 

< 教室に任せるべき?独学だけじゃダメ? >

幼児教室といっても様々なタイプがありますが、ここでは私立・国立の受験対策を目的とした専門の幼児教室を念頭にお話します。もちろんお受験を謳っていない通常の教室であっても、知能教育という点で役立つ部分はあると思いますが、明確に受験を目標とする教室と比べると大きな違いがあります。

さて。受験に際して教室は欠かせないかと問われると、僕個人の意見は『欠かせない』です。じゃあ独学では受験突破は絶対に不可能なの?と尋ねられたら、そうでもないと答えますが(笑) 要するに各ご家庭の置かれている状況次第なのですが、少なくとも下記のどれかに当てはまる人は通われることをオススメします。

 

◆競争率2倍以上の学校を志望

関西だと競争率は1倍+αの学校も散見されますが、首都圏では2-3倍は当たり前、人気校だと5倍を超えてくる学校も珍しくありません。そうした難関校を志願する子は、おおむね教室に通い(しかもけっこう早い段階で)バリバリに対策を施されています。

 

◆考査まで1年きってから受験準備を開始

年長からのスタートだと手遅れとまではいかないまでも、効率よく進まなければかなり厳しい道のりになると思います。学習計画、学校の情報収集、願書・面接対策など、親がやるべきことは多岐に渡ります。ここを無駄なく、またムリなく乗り切る上で、教室のサポートは強力だと感じます。

 

◆遠方にある学校を志望

大手の教室の中には全国展開されているところもあります。ネットワークを活用し、遠隔地にいながら必要な情報と細やかなサポートを得られることは、教室ならではのメリットです。

 

◆初めての受験、とにかく不安

1回きりの受験、何が何でも私立に行かせたいというご家庭にとっては、失敗は許されないというプレッシャーの中で教室は心強い存在となります。

上のお子さんの時に受験を経験されており、ある程度対策の要領を得ているという自信のあるご家庭であれば、もしかしたら独学でも良いのかもしれません。ただ、私のまわりを見ますと上のお子さんで教室の世話になった経験があるからこそ、その必要性を痛感されており下のお子さんも通わせる、というケースがほとんどです。

 

 

< 実際に通ってよかったと思うこと >

当時のわが家は上記4点すべてにヒット(笑) 躊躇なく教室に通うことを即断しました。通った期間は8ヶ月間ほどと短めでしたが、振り返ってみると教室が大きな役割を担ってくれたことをあらためて実感します。僕が思う主なメリットは以下の通りです。

 

1. 目的地までの適切な道筋を示してくれる

小学校受験では偏差値のような、合格の目安になる明確な基準というものがないので、中学以上の受験のように粛々と目標ラインに向けて偏差値を上げていくというトレーニング方法は通用しにくいです。現時点の実力も志望校の合格水準も、数値でつかむことが難しいのです。受験対策を立てる上で、現在地と目的地までの差分を埋めていくのが合格の要諦だと思いますが、こうした定量化しにくい中で距離感を正しく把握し、そして適切なルートを示してくれるのが教室の最大の強みだと感じます。

 

小学校受験の考査では、独自の教育理念に根差した各校ごとのオリジナリティが反映されます。特に行動観察や面接などは、各校ごとの評価のポイントの違いが表れやすいといえます。「目的地」である自分の志望校がどのような出題の思想をもっていて、何を見ていかに評価するのか。受験専門の大手幼児教室はここについて膨大な情報を蓄積しており、且つそれを駆使して一人ひとり足りない要素を補う個別指導のノウハウがあります。

 

2. 適切なペースで伴走してくれる

一方、わが子の「現在地」というのも家庭だけで把握することはなかなか難しいものです。お世話になった先生によく言われたのですが、この年齢の子どもは「1歩進んで2歩下がる」ことはしょっちゅう。昨日できたことが今日できなかったら、親としてはついイライラしてしまうかもしれませんが、いちいち焦らないでください、と諭されました(笑)

実際、考査は詰め込んできた知識のアウトプット精度を競う場ではありません。しっかりと人の話を聞いて理解できるか、自分で考え適切に行動することができるか、他者との関わりの中で礼節ある振る舞いがとれるか等、生活習慣や態度をチェックされることとなります。でも、これって5-6歳児にとってみればけっこうハード。。その点、幼児教室は発育過程に応じて総合的な学びや経験の場を提供してくれます。もちろん、単なる情報の提供にとどまりません。子どもの意欲を上手に引き出しながら、自信を与えてくれるコーチのような存在。それに加え、親自身の焦る気持ちもうまく和らげてくれます。

 

自分のペースを保つには、冷静でいられることが大切です。しかし、わが子を見る親の視点というのはともすると視野が狭くなったり偏ったりと不安定になりがち。一喜一憂の連続(いや、一喜十憂かなw)の中、お受験のプロの客観的な視点というのはやはり貴重だなーと強く実感したものです。

 

3. 本番力を鍛えてくれる

考査では主に「ペーパー試験」「行動観察」「面接」「運動」「制作課題」などが行われます。ペーパーでは文字や数字を書かせることはありませんが、ある程度対策をしていないと解けない問題も多いです。また、せっかく解ける知識をもっていたとしても本番で力を発揮できないケースもあります。たとえば問題ごとに鉛筆の色を指定して記入させる出題形式もあり、きちんと指示を聞きながら解けるか。また、設問ごとに解く時間が定められていますから、ミスなく楽に解く方法(たとえば数の数え方)や1つのことで躓いたら後回しして解ける問題に手をつける“わり切り”も身につけておくと有効です(最初のうちからこれを仕込むと苦手克服ができなくなる恐れがあるので、わり切りは直前期に伝授しました)。

 

ペーパー以上に本番力を問われるのが行動観察や面接です。行動観察では集団の中での協調性や個性をチェックされます。自分の意見を述べるだけではなく、しっかりと「聞く」「観る」ことが出来ているか、その上で指示どおり動けているか等も重要となります。こちらも考査当日の場では色んなアクシデントが起きるかもしれず、慣れておく必要があります。家ではできていたのに本番でモジモジしたり泣き出してしまったり、逆にムダに盛り上がり過ぎて悪目立ちしたり。同じグループに自由にしゃべったり動き回ったりする元気ハツラツすぎる子がいて、その子の影響を受け一緒に楽しんじゃって減点される、なんて目に遭ったら最悪です。。

 

インプットは自宅でコツコツ地道に特訓できますが、アウトプットは実践あるのみ。しかし、家庭内だけで本番環境をつくるのは至難です。その点、教室は日頃から模擬環境が整っており、集団の中で本番さながらの緊張感に慣れさせるよう努めてくれます。

 

4. 情報力に長ける

志望校に関する情報量が豊富であることはもちろんなのですが、お受験教室の真価は情報量だけではなく、その質にこそあると感じます。過去問の分析にもとづいた予想問題集や学校別模試は定評があります。

 

あと個人的に少し意外だったのが、(教室によって差はあると思いますが)校長先生や教頭先生とのお付き合いがきちんと存在しているということ。わりと定期的に相互にコミュニケーションをとっている印象を受けました。その年のパンフレットが完成すると校長先生自ら主要な教室に持参してまわるなんてことも珍しくないそうで、トップセールスに余念がありません。それだけ学校も応募者確保に緊張感をもって取り組んでいるという表れなんでしょうね。

 

ある校長先生なんて教室に1人でやって来てスライド用のPCも自分でセッティングし、1時間みっちりと出張学校説明会をされていました。特定の教室だけに“特別”な情報を持ち込むことはありませんが(教室で話されたことは、公式な学校説明会の内容と基本は同じでした)、保護者10名程度なので質疑応答もしやすかったですし、どんな質問にも真摯に回答される校長先生の姿から実直な人柄が伝わってきて、学校の理解がより深まりました。

 

ちなみに受験の合否に関して、特定の教室の生徒が優遇される?といった噂があるようですが、これは噂なだけで事実ではないと思います。教室によっては学校に受験者リストを提出しているケースもありますが、それが合格に有利に働くという効力はないだろうと。

 

ウチのケースを紹介しますと、試験の1週間前くらいに教室の先生から、受験する学校側に「この教室に通っている者であること」と「御校が第1志望であること」の2点を伝えていいですか?と事前に相談を受けました。何の支障もないので(むしろ後者はプッシュしたいところ!)イエス返事したわけですが、先生からはこのことを伝えたからといって合否には関係ないんですけどね、と言われました(あったとしても堂々と言えるわけないですがw)。まぁ僕としては1種のお守り程度に受け止めました。

 

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以上、お受験教室のメリットを挙げました。もちろん家族がランナーとして主体性をもって団結しながら走ることは当然ですが、長い距離を孤独に走る身にとって、やはり教室は頼りがいのある伴走者だと思います。

 

では、自分にあった教室をどうやって探したらいいのか?

後編では、教室選びのポイントについてお伝えします。わが家がお世話になった伸芽会についても紹介しますよ~。